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松渕得雅/大館市立桂城小学校

23matsubuchi01日時・参加者
平成27年11月13日 20名/1〜6年生
内容
大館市を拠点に活動するゼロダテのプロジェクトマネージャー兼アーティストである講師が、ゼロダテやその活動の意義、文化芸術活動、地域活動が地域にとって、どのような効果をもたらすかを小学生1〜6年生にも分かりやすく、文化芸術に関心を持ってもらう講話をおこないます。

 


第23回目の芸術家派遣事業は、講師にゼロダテアートプロジェクトのプロジェクトマネージャーである松渕得雅さんと広報戦略室室長の「のの」を迎えました。教室に入った生徒たちが「ののちゃんだ!」と歓声を上げます。
集まった生徒たちに松渕さんが自己紹介をしました。能代市で生まれ育った松渕さんは、東京の美術大学でアートを学び、その後イギリスに留学したと話します。写真の仕事をした後、地元の秋田でも何か出来ないだろうかと考え、ゼロダテに関わり始めました。
そして生徒たちへ質問。「ゼロダテを知っている?」「ののを知っている?」−−「知っている!」多くの生徒たちから反応があります。松渕さんはゼロダテの始まりや成り立ちについて話し始めました。まずは「ゼロダテ」という名前の由来から。
大館=ODATE=0/DATE=ゼロダテ
アルファベットを数字に読み替え、「ゼロの地点からもう一度、大館(故郷)を見つめてみよう」という想いが込められています。ゼロダテアートプロジェクトが立ち上げられるきっかけの1つ、「旧正札竹村百貨店」の写真がスクリーンに映し出されます。桂城小学校からも程近い大町に、今も旧正札竹村百貨店はあります。建物を見たことがある生徒がほとんどです。しかし、次に松渕さんが見せた古い百貨店の内部の写真には、生徒たちが未だ見たことがない風景が写っていました。壁が剥がれ落ち、床には段ボールや紙が散乱し、ショーケースなどの什器は当時のままほこりを被っています。この建物の屋上から「正札」のロゴが入った看板を取り外し、東京で展示をしたことを松渕さんは話しました。そして正札内の掃除ワークショップ。記念写真には多くの人が写っています。松渕さんはゼロダテの活動を振り返り、2つのキーワードについて生徒たちに話しました。
“Before”—“After”
すなわちゼロダテが関わる「前」と関わった「後」−−松渕さんはいくつかの事例を紹介しました。旧正札竹村の一部が解体され、ハチ公小径が出来たことや、ボンジュールという元喫茶店が、その後ゼロダテ主催の展覧会でメイン会場の1つになったこと、そして現在ゼロダテアートセンターがある場所には、以前はインターネットカフェがあったこと−−生徒たちは松渕さんの話に真剣に耳を傾けます。松渕さんは2007年からおこなわれている大館市内での「ゼロダテ/大館展」の写真を生徒たちに見せました。自分たちの地元の見慣れた風景に現れたアート作品に新鮮さを感じているようです。昨年開催された「大館・北秋田芸術祭 『里に犬、山に熊』」の展示やイベントの写真が写ると、「見たことがある」と元気よく反応する生徒が多く見られました。自分たちが通う桂城小学校のグラウンドで揚げられたパトリシア・ピッチニーニによるバルーン作品、《Skywhale》のドローン映像に歓声が上がります。そして旧正札竹村でのダンス公演やコンサートの写真など、更新され続けるまちの“After”に生徒たちは視線を注ぎます。

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そして、話題は「のの」に。「あいにいける秋田犬」として全国各地からファンを出迎え商店街活性化に繋がるよう、ゼロダテの一員として仕事をしています。「のの」という名前には、『希(き= ぞみ)望(ぼう= ぞむ)』という意味が込められています。また、イタリア語で“nono”は「9番目」の意味があり、ハチ公の「8」に続いて愛される存在になり、8から9へ前進しよう—そんな願いを託し、命名されたことを松渕さんが説明しました。グッズ展開やSNSでの情報発信などの広報戦略や、雑誌への掲載など、「沢山のお仕事をしているんだね」と驚く生徒も見られます。また、この日配布されたののの名刺を、生徒たちは嬉しそうに眺めていました。
授業最後の質疑応答では、積極的に挙手する生徒の姿が多く見られました。「なぜ、空き店舗を利用するのですか?」これはある生徒の質問です。生徒たちはまだまだ知りたいことがあるようです。松渕さんは一つ一つの質問に答え、生徒たちとの対話を深めていきます。生徒たちの瑞々しい眼差しと感受性が、大館という街の在りようを浮き彫りにしていくのが感じられました。

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講師略歴
秋田県能代市出身。アートNPOゼロダテのプロジェクトマネージャー。2007年イギリスのエジンバラ芸術大学大学院ASNコース修了。2005年~2009年のイギリス滞在中に主にヨーロッパにて活動。2009年の帰国後、東京をベースに日本国内での活動を始動。「ゼロダテ/大館展2009」にて梱包用テープを使ったインスタレーション、パフォーマンス作品を発表。2013年までゼロダテアートセンター東京のプロジェクトスタッフを務める。