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石山拓真/大館市立早口小学校

26ishiyama01日時・参加者
平成27年11月19日 11名/6年生
内容
地元出身でアートや地域活性化などの活動をするデザイナーである講師が、これまでの活動紹介を介し、地区の名産である「ネマガリダケ」の皮という素材を使って地域でどのような活動が可能かを提示し、生徒ともに考え実際に制作をおこないます。講師による文化芸術的な見地からのアドバイスを活かし、アイデアを形にしていくことを目指します。

 

 

 


第26回目の芸術家派遣事業は、講師にデザイナーの石山拓真さんを迎えて大館市立早口小学校でおこなわれました。同校は創立140周年記念事業として、田代地区の名産である「ネマガリダケ」を使ったプロジェクトを考えています。
石山さんはこれまでデザインや地域活性の観点から、地域資源を活かしたプロジェクトを手がけてきました。「自分のふるさとを元気にしたい。」石山さんは自身の活動についてそう話し、その方法として「アートやデザインの力」を挙げました。活動の一例として、北秋田の郷土菓子であるバターもちをキャラクター化した「バタもっち」が紹介されました。歌手の本城奈々さんが歌う「バターもちのうた♪」は生徒たちも耳にしたことがあるようです。歌に乗せて秋田内陸縦貫鉄道(通称:内陸線)沿線の風景が紹介されます。また、この日の授業では生徒たちに「もうひとつの田代フォトマップ」が配布されました。これはまち歩きの参加者が自由に街を散策し、気になるポイントやお店、地元の人などに会いながら完成させたものです。写真には生徒たちにも馴染みのある風景や人が沢山写っています。身近な「資源」が盛り込まれた楽しい映像やカラフルなマップに、生徒たちの目は釘付けです。
ワークショップ開始前に生徒たちに配られたのは1枚の画用紙。表をメモ用紙に、裏はデザインの絵を描くために、と石山さんからの指示がありました。石山さんはアイデアを出す流れを大きく3つに分けて説明しました。
1. 想定・仮説(イメージ)
2. 調査(リサーチ)
3. 実験・検証(テスト)

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今回の授業では項目1の「イメージ」に取り組みます。参考として石山さんがアイデアを書き留めたノートを少しだけ公開しました。ノートにはネマガリダケの皮を使った商品アイデアのイラストが書き込まれています。モビールや工作用素材、ストローのような形状を活かしたまくらの中身など、本格的なデザイン案を目にして、生徒たちのモチベーションも上がったようです。一斉に画用紙にアイデアを書き始めました。石山さんとアシスタントの畠山陽子さんが教室を回り、生徒たちにアドバイスをしていきます。この日の授業では、乾燥させたネマガリダケの皮が用意されました。手元に配られたネマガリダケの皮に直接触れて、その質感や硬度、形状などの特徴を実感していきます。実際に触ることでアイデアが浮かんだのか、手で皮を広げたりハサミやカッターで切り込みを入れたりして具体的な形を作ろうと試みる生徒が出始めました。また、テキスタイルデザインを専門とする畠山さんが、糸縒りや織り、製紙など様々な活用方法を紹介し、素材のもつ特性を活かした実用品開発のためのヒントを与えます。
生徒たちが考えたアイデアを石山さんが講評していきました。ある生徒は皮を輪の形にしたイヤリングを考えました。また、別の生徒からもネックレスのアイデアが出ました。ネマガリダケの持つ独特な風合い、色味がアクセサリーのポイントになりそうです。また、抗菌効果も期待されることから、実現の可能性は高そうです。ブラインドや電気ランプなどに使おうと提案する生徒もいました。素材を単一で使うだけではなく、他の製品、異素材と組み合わせることで、商品のバリエーションもぐんと広がりそうです。1人1人のアイデアを読み上げ、コメントする石山さんの表情は楽しげです。
6年生の生徒たちが考えたアイデアは後輩たちに引き継がれ、実現に向けてプロジェクトが進められる予定です。今後の展開に期待が膨らみます。

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講師略歴
1976年秋田県大館市生まれ。2000年北海道道都大学在学中に「SEVEN DOGS」設立。2007年に大館出身の中村政人(美術家)と普津澤画乃新(漫画家)と共に、「ゼロダテアートプロジェクト」を開始。アートと地域資源活用の観点から制作活動及びプロジェクトをおこなう。2015年までアートNPOゼロダテのプロジェクトリーダーを務める。