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WQ/由利本荘市立本荘北中学校

34wq01日時・参加者
平成28年1月22日 25名/美術部
内容
色彩の原理の基本について学び、明度や彩度を活かした配色の効果などを考えながらマーブリング技法を体験する。

 

 


第34回目の芸術家派遣授業は講師にグラフィックデザイナーのWQさんを招き、由利本荘市立本荘北中学校でおこなわれました。この日授業に参加した美術部員の中にはマーブリング技法を体験したことがある生徒もいるようですが、専用溶液を使った技法は初めての生徒がほとんどでした。
授業はWQさんの自己紹介から始まりました。自身の作品の色彩表現についてWQさんは「マーブリング手法に近い」、「(色彩やかたちが)溶けていくようなものが自分のスタイル」と話します。WQさんは2014年の大館・北秋田芸術祭「里に犬、山に熊」にて大館市内で滞在制作された作品や、これまでに手がけた音楽CDのジャケットデザインや、作品が掲載された『ERECT Magazine #005』などを紹介しました。
マーブリング技法体験のワークショップに入る前に、導入として色彩の原理についてレクチャーがありました。赤→橙→黄→緑→青→藍→紫の7色を基本とした色彩が、円環状に並置された色相環の描かれたプリントを見ながら生徒たちはWQさんの説明を聞きます。そして帯状のチャートに並べられた色彩を見較べながら、「彩度」と「明度」についても学びました。それぞれ効果的な使い方をすることによって、画平面上に奥行きなどを生みます。再び色相環の話に戻り、今度は円の中で向かい側に対置された色彩…補色について説明がありました。補色の組み合わせは「ハレーション」という効果を生みます。この言葉を初めて聞いた生徒も多いようですが、プリントに掲載された「ハレーション」効果の見られる配色の例を見て「目がチカチカするね」と口にする生徒もいます。WQさんは「目がチカチカ」について「サイケデリックな印象」と表現しました。プリントには「WQ的配色見本」と書かれた帯状の色彩見本が並んでいます。橙色と水色、黄色と灰色…隣に並べられることで、色同士がそれぞれの明るさや鮮やかさをより引き立たせていることが分かります。
また、CMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)の表現方法についても説明がありました。今回は描画ソフトを使い、CMY(三原色)の減法混合をパソコンのモニター上でシュミレーションしました。数値を操作することでそれぞれの割合を減らす、という三色の引き算によって、色彩のバリエーションが広がります。ワークショップではこの原理を利用して、自分の好きな色を作ってマーブリングをする予定です。

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早速道具を用意してマーブリングに挑戦します。生徒たちは作業机の上に専用溶液の入ったバットと6色のインク、そして色をのせる画用紙を用意しました。WQさんのデモンストレーションを参考にしながら、小さな容器に入ったインクを溶液にひとしずく、ふたしずく…。落とされた色はゆっくりと円を描きながら、バットに広がります。ゆるやかに広がり、液に溶け合う様子を見た生徒たちから「わぁ」と歓声が上がりました。2色目、3色目…と色を垂らしていくうちに、次第に勘を掴んできた生徒たちは、完成後の模様やイメージを描きながら色を選んでいる様子です。溶液に広がる色彩の重なりが出来上がったところで、爪楊枝で引っ掻くようにして水面に模様を描きました。そして模様が出来た水面に静かに画用紙を載せ、数秒後にピンセットで引き揚げると…水面に描かれた模様が鮮やかに画用紙に移っています。自分で作り上げた色彩とその広がり、模様を見て、生徒たちは嬉しそうな表情をしています。最初は試行錯誤しながら制作する姿も見られましたが、2枚目、3枚目の作品に取りかかる生徒たちを見ていると、手慣れた様子でマーブル模様の作品を作っていました。完成した作品を見ていくと、水色、黄色、ピンク…色相が異なるものを並べることで、描かれた模様はよりはっきりと浮かび上がっているのが分かります。
授業の最後には、出来上がった作品を生徒同士で見比べ、「これが欲しいな」と友人の作品をほしがる生徒もいました。自分とは違った感覚で作られた友人たちの作品は、また新鮮に感じられるのでしょう。今後の部活動では授業で学んだ技法を利用し、木やプラスチックなど立体へのマーブリングにも挑戦する予定だそうです。美術室に色鮮やかな作品が溢れる光景が目に浮かびます。

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講師略歴
2003年FREEWALL GRAPHICS 設立。2007年アプリュスの立ち上げに関わる。2008年出版のTAGGS『TOKYO ARTISTIC GRAPHICKER’S GRAND SQUAD』(DIS inc.出版)に掲載。主な発表歴に2010年TOKYO SABBATH Art Exhibition 2010「10000V」(Time Out Cafe & Diner)や2014年「大館・北秋田芸術祭」、2015年の個展『Altered State of Consciousness』(blackbox/高円寺AMPcafe)など。