MENU

KENTARO!!/秋田県立能代養護学校中学部

38kentaro01日時・参加者
平成28年2月10日 23名/全校生徒
内容
HIPHOPダンスやコンテンポラリーダンスを生徒が体験的に学べる授業を実施します。講師の指導のもとワークショップ形式でダンスを学び、身体表現の可能性を広げることがねらいです。また、ワークショップ後には講師らによる実技披露を鑑賞します。

 


第38回目の芸術家派遣事業は、秋田県立能代養護学校中学部にておこなわれました。この日講師として派遣されたのは、HIPHOPダンスをベースに活躍するKENTARO!!さんです。全校生徒が体育館に集まり、KENTARO!!さんとアシスタントの横山彰乃さんと高橋萌登さん、泊麻衣子さんを出迎えました。生徒たちは歓迎のダンスとして、中学部全体で取り組んでいるよさこいを披露してくれました。揃いの衣装を身に纏い、力強く舞う生徒たち。威勢の良いかけ声が体育館に響きます。生徒たちの演舞にKENTARO!!さんたちは笑顔で拍手を送りました。
ワークショップは全身のストレッチから始まりました。KENTARO!!さん指導のもと、よさこいで温まった筋肉をさらにほぐしていきます。ストレッチの後はリズムトレーニングをしました。膝の屈伸を活かすアップとダウンの動きで、HIPHOPのリズムを身体に馴染ませていきます。ステージ上のKENTARO!!さんがカウントを取り、それに合わせてリズムよく身体を動かす生徒の表情は真剣そのものでした。

38kentaro02 38kentaro03

身体がリズムに慣れてきたところで、今度はHIPHOP特有の動きも覚えました。空中を蹴り上げるような「キック」、手を重ね波打つように腕全体を動かす「ウェーブ」、前方を指さす「ポイント」など。TVなどで見たこともあるポーズも多いのでしょうか、練習を重ねてポーズを決める生徒たちの表情は、照れくさそうでもありますが、少し自信が感じられるような笑顔も見えてきました。さらにKENTARO!!さんは身体の動きのディテールをきめ細やかに指導し、ダンスの精度を高めていきます。
休憩時間には、少し身体を休めつつ、ダンスの復習をする生徒もいました。また、KENTARO!!さんらと談笑している姿も見られます。学校の先生が撮った前半の映像記録を眺め、自分たちが踊る姿に嬉しそうな笑顔を見せる生徒もいました。
休憩後はワークショップのまとめとして、リズムトレーニングやHIPHOPの動作を交えた練習で覚えた一連の動きを楽曲に合わせて踊りました。前半はKENTARO!!さんたちの動きを目で追い、懸命に身体を動かしていた印象もありましたが、後半開始以降の生徒たちの動きにはどこか「余裕」のようなものが感じられます。ひとつひとつの動きがスムーズで、柔らかさが感じられました。また、何と言っても生き生きとした生徒たちの表情が、彼らが感じたダンスの楽しさや充実を物語っていたように思います。

38kentaro04 38kentaro05

最後にKENTARO!!さんとアシスタントの3人によるダンスが披露されました。4人は、OGRE YOU ASHOLEの楽曲「しらない合図しらせる子」に合わせて踊り始めました。冒頭のKENTARO!!さんのソロダンスは躍動的でありつつ、どこかコミカルさを感じさせます。時折、生徒たちの方に茶目っ気のある眼差しを向けると、それを見た生徒たちの表情も嬉しそうです。次第に手拍子が起こり、歓声も聴こえてきました。4人のダンスは歌詞の内容を忠実に表現するというよりも、詞に書かれた言葉から連想/逸脱し、楽曲の持つものとは異なる世界観が表れていたように思います。
踊り終えたKENTARO!!さんは授業を振り返り、「初めて会ったけれど、何かを伝えることが出来たのでは」「自分自身もいい経験になった」と笑顔で話しました。互いのダンスを通じて、「何か」を交換するように伝え合うKENTARO!!さんと生徒たち−−そこには身体表現を通じたひとつの「対話」があったように思います。

38kentarto06 38kentaro07


講師略歴
1980年生まれ。「東京ELECTROCK STAIRS」主宰。HIPHOPをベースとしながらも既存のスタイル化されたものとは、かけ離れた独自の表現を実践する。2013年ニューヨークでの「japan society show case〈東京ERECTROCK STAIRS〉」では、NY TIMES紙が絶賛評を掲載。海外からも注目を集める。ゼロダテには2013年の「根子フェス」、2014年の「大館・北秋田芸術祭」に参加。2015年には9月にソロ公演「森に帰るケレックス」(北九州芸術劇場、ベトナム)と12月に東京ELECTROCK STAIRSの新作公演「傑作は西に死す」(吉祥寺シアター)を開催。